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 作業途中に突然、キーボードやマウスの応答が無くなり、仕方なしにパソコンの「リセットボタン」を押した経験はだれしもあるのではないだろうか。大抵はこれで元通りになるが、時として「Non- System disk」と「STOP:004xx」いったメッセージが画面 に表示され、ウィンドウズすら立ち上がらなくなってしまうことがある。
修復を放棄する決断を
 「パソコンが動かない、しかも仕事の納期はすぐそばに迫っている」。このような事態に直面 したとき、あなたならどう決断するだろうか(図4)。

 もはや、パソコンなしでは仕事が立ち行かない人もいるだろう。しかし、パソコンの修復にこだわるのはどうか。ウィンドウズが起動しないトラブルは、小手先だけでは元通 りにならないケースがほとんどだ。時間の浪費にしかならない。再起動などを試しても修復できる目処が立たなければ、パソコン修理を放棄して、とにかく仕事を進めるための別 の手を考えるべきだ。

応急処置
ハードディスクを外して
データファイルだけ取り出す
 ここで選択は2つに分かれる。初めから資料を作り直すか、それとも壊れたパソコンから仕事に必要なデータファイルだけを何とか取り出すか、である。1時間程度で資料を作り直せるならば初めから作り直した方が簡単だが、作り直すのに半日以上を要したり、作り直しがきかない顧客情報などがパソコンに閉じこめられているのであれば、ハードディスクからデータを取り出すべきだろう。

 ウィンドウズが起動しないのにファイルを取り出せるわけがない――と思う方もいるだろうが心配ない。ハードディスクのディスク面 に傷が付いたり、モーターが回転しないといった致命傷でない限り、ハードディスクを別 のパソコンにつなげることで仕事に必要なデータを取り出すことができる。

 パソコンのハードディスクには、ウィンドウズ98などのOS(基本ソフト)やエクセルなどのアプリケーション、そして提案書などのデータファイルが保存してある。データファイルにはウィンドウズを介してアクセスするため、ウィンドウズに不具合が発生すると、たとえデータファイルが壊れていなくてもアクセスできなくなる。
一方、正常なパソコンにこのハードディスクをつなげる(増設する)と、正常なウィンドウズを介してデータファイルにアクセスするようになる。そのため、故障したパソコンのハードディスクにあるファイルを取り出せるのだ。

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作業時間は30分から1時間
増設用ケースは扱いが簡単

 故障したパソコンのハードディスクを別のパソコンに増設する方法は2つある。1つは正常なパソコンの内部に増設する方法、もう1つは増設用のケースを使ってUSBケーブルなどを介して接続する方法である。

 ケースが不要な分、正常なパソコンの内部に増設する方が手軽なようだが、実は増設用ケースを使った方が作業は簡単だ。内部への増設作業はハードディスクの設定ピンを付け替えたり、BIOS(バイオス)と呼ばれるパソコン基盤の設定画面 でハードディスクを再認識させるといった作業が必要となる。パソコンを自作できる知識がないと難しい。

 一方、増設用ケースを使う場合は、ねじ回しで壊れたパソコンからハードディスクを取り外す作業さえできればよい。パソコンに詳しい知識は不要で、日曜大工感覚だ。増設用ケースは、パソコン量販店などで5000円位で購入できる。
  日ごろ、当たり前のように使っているパソコンや電子メール。もしも今、突然、それらが使用不能になってしまったら…。

 パソコンの解説書や書籍を読みながら、出口のないトンネルを突き進むかのようにパソコン修理に専念する人もいるだろう。あるいは、メーカーやシステム構築業者に連絡して修理が終わるまでじっと待つという人もいるかもしれない。

 確かに、趣味で使っているパソコンならばそれでもよいだろう。しかし、仕事で使っているパソコンとなるとそうはいかない。パソコンや電子メールは企業活動の生命線。トラブルが起きたら仕事も止まってしまう。「いかに仕事を止めないか、いかに仕事を前に進めるか」が重要だ。

 具体的には、壊れたパソコンから仕事のデータをとにかく取り出して別 のパソコンで仕事を進めたり、何らかの方法で電子メールを利用できるようにするといった、知恵と工夫が求められる。「必ずや修復できるとは限らない壊れたパソコンを無理して直そうとしない」という決断も大切だろう。

 さらに、万一の時にあわてないように、データファイルや電子メールを作業中のパソコンとは別 の場所に保管(バックアップ)し、トラブルが起きても復元できるようにしておく体制作りも必須だ。

 しかし、実際に痛い目にあわないと、これらの手段を講じない会社は少なくない。また、体制は作ってあっても、トラブルのない平穏な日々が続くと、ついつい対策が疎かになりがちである。現実に起こった恐ろしい話を紹介しよう。

下の欄、第二章に続く


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   第二章
応急処置
復元ソフトを活用すれば
削除ファイルも復旧できる
 仕事に必要なファイルをファイルサーバー(ファイル保管用の専用パソコン)にきちんと保管している企業では、パソコンが起動しないトラブルがあってもそうあわてることはないだろう。しかし、ファイルサーバーがあるからといって油断してはいけない。「ファイルサーバーのファイルを削除したら"ごみ箱"から復元できなかった」というトラブル報告は意外と多い。
通 常、パソコンでファイルを削除すると、一時的にデスクトップ画面のごみ箱フォルダに保管される。そのため、誤ってファイルを削除してもごみ箱フォルダからファイルを取り出せばよい。しかし、これが通用するのはパソコン単体での話。社内ネットワークなどを介してファイルサーバーなど別 のパソコンにあるファイルを遠隔から削除した場合は、ごみ箱フォルダには残らないのだ。もちろん、ファイルサーバーのごみ箱にも入らない。

 だからといって、あきらめて最初からファイルを作り直すのは早計だ。アルファ・オメガソフトのファイナルデータ(FinalData)などのファイル復元ソフトを使えば、削除してしまったファイルを復元できる。ウィンドウズではファイルの削除命令を出した瞬間、ファイルの先頭部分やファイルの記録場所を管理しているデータを削除するだけであって、実際にデータが書き込まれている部分までは消されない。そのため、その部分に別 のデータが上書きされない限り、復元ソフトでデータの残がいを拾い集めれば、削除したはずのファイルを復旧できる。

 
予防策
バックアップは必須
コピーだけでも効果大
 ここまで紹介していたのは、壊れたパソコンや削除してしまったファイルを復旧する「応急処置」である。応急処置では必ずデータが復元できるという保証はないため、日ごろからの備え(データのバックアップ)が不可欠だ。バックアップさえあれば、もしもトラブルが発生してもあわてることなくバックアップ時点のデータから仕事を再開できる。

 しかし、いざというときにバックアップが役に立たなかったという例は少なくない。その理由の多くは、完璧なバックアップを求めすぎたために作業が頻雑なものになり、途中で挫折していたというものだ。また、バックアップの重要性は分かっているが、トラブルが起きないのでバックアップをしなくなったという例も多い。バックアップはトラブルが起きなければ日の目を見ないため疎かになりがちだが、定期的に継続しなければ意味がない。

失敗しない秘訣
「単純明快」な方法が一番

 失敗せず長続きするバックアップの秘訣は、

 まず、欲張らないことである。最低限、仕事が滞らないためのファイルに絞り込むべきだ。電子メールのアドレス帳やらパソコンの設定やらと肥大化していくと、すべてをバックアップすることが面倒になり大抵は投げ出すことになる。重要なファイルは1つのフォルダにまとめておくようにしたい。無駄 なバックアップも少なくできる。

 2つ目はバックアップ用のソフトに頼りすぎないことである。バックアップ用ソフトの中には、スケジュール機能を搭載してバックアップを自動化できるものや、バックアップ時間を短縮するために月曜・火曜・水曜…と更新された差分情報だけをバックアップするもの、ハードディスクの状態をまるごとネットワーク経由でコピーするものなど、様々な機能を持つものがある。

 しかし、これらの機能を駆使して複雑なバックアップをしてしまうと、作業自体が頻雑になって長続きしなくなる。また、何らかの原因でスケジュール機能などが止まっていたら元も子もない。バックアップ用ソフトの機能に頼りすぎるのはよくないだろう。昼休みや終業時に、手作業でフォルダごとコピーする習慣を付けるだけでも十分効果 はある。

 

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